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システムは、どれだけ開発時に綿密に設計しても、何度テストをしても、「故障」は付いてきます。
故障の原因はいろいろあります。
<例:スマホの故障>
・ホームボタンを押しても動かない、電池の消耗が異様に早くなる、など経年劣化
・スマホを落として画面が割れてしまう、など人為的なトラブル
・突然の大雨で、水没故障してしまう、など外的トラブル
故障したとき、修理によって正常に使えるまでにどれくらいかかるのか?
修理によって、システムが使えない時間が短いほど(=復旧が早いほど)、システムの信頼性は高いといえます。
このスマホの例であれば、個人の都合で 買い替えたり・修理できますが、
もしもこれが、Googleのサーバーが故障したとすると、どうでしょう??
24時間365日、世界中の人が使っているため、故障で使えない時間が少しでもあると、多くのユーザーに影響します。
そんなとき、この信頼性を定量化する稼働率の観点が大切になります。
稼働率とは、そのシステムが生まれてから、ある一定期間を切り取った時、どのくらい稼働するか?を割合で示したものです。
まずは身近な例から、稼働率について考えます。
(例)
勤務時間が8時間で、休憩が1時間の1日のビジネスマンの稼働率を考えてみると、下記のように求めることができます。
これと同じように、システムの稼働率も求めていきます。
システムの稼働率は、下記の公式で求められます。
このシステムの信頼性の評価指標は、大きく分けて2つに分類されます。
平均故障間隔と、平均修復時間です。
まず、平均故障間隔であるMTBF(Mean Time Between Failures)です。
故障と故障の間、稼働している平均時間はどのくらいか?を指します。
平均修復時間であるMTTR(Mean Time To Repair)です。
濃いグリーンの修理の時間の平均をとったものです。
ちなみに、このMTBF:稼働時間とは、予防保守と呼ばれるシステムメンテナンスによって長く保つことができるため、こちらについても覚えておきましょう。
(例題)以下の要件のとき、システムの稼働率は何%でしょうか。
STEP1:平均故障間隔(MTBF)を求めます。稼働時間を故障回数(修理回数)で割った平均で求めることができます。
STEP2:平均修理時間(MTTR)を求めます。
STEP3:稼働率を求めましょう。
システム信頼性の必要性とその求め方について勉強しましたが、次に複数のシステムの稼働率について考えてみましょう💡
小学校の理科でやった豆電球の授業を覚えていますか?
豆電球は、直列回路の場合、一方が故障すると止まってしまいますが、並列回路の場合は、一方が故障するともう一方だけが可動する、という内容でしたね。
これが、システムに置き換わった場合を順番に説明します。
直列システムは、並列システムに比べてシンプルな設計ですが、一方が故障するとシステム全体が止まってしまいます。
並列システムは、直列と比べるとシステムが複雑なため、故障トラブルが比較的発生しやすいですが、一方が止まっても、片方は動き続けます。
実際に、システムAが70%、システムBが80%のときの、直列・並列それぞれのシステムの稼働率を求めて見ましょう。
“稼働率“は割合なので、単位は[%]、計算する時は、100掛けされていることに注意して計算してください。
直列システムの稼働率の求め方は、システムA × システムB で算出することができます。
この場合、0.7×0.8=0.56 → 56% となります。
並列システムの稼働率の求め方は少し複雑で、1から、それぞれの積を引いてあげることで算出されます。
この場合、1-(1-0.7)x(1-0.8) =1-0.3x0.2
=0.94 → 94% となります。
これだけみると、直列システムよりも並列システムの方が、稼働効率が良いのに、なんで直列が存在するの?と思われた方はいませんか?実はそれ、すごく良い観点です👏
システム稼働率の低いもの・高いものは、目的に応じて使い分けが発生しています。
最後に、装置の故障率の時間の関係をグラフにする故障率曲線について説明します。
こちらは、一般的には図のような曲線を描き、バスタブ曲線と呼ばれています。
初期故障期間には、設計・製造の誤りにより、故障率が比較的高くでており、続いて偶発故障期間では、初期故障のバグが修正され安定稼働しはじめ、時間がたつにつれて、摩耗故障期間に突入し、経年劣化などにより故障率が上がる、と言われています。
システムの信頼性について、ちょっぴり応用編でしたが、
今日も最後までブログを見てくださり、ありがとうございました!
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