調達とは、プロジェクトマネジメントで発生する業務の1つです。
「すきまマーケット社」という架空の会社では
マーケティング事業を中心にする会社なので、社内にエンジニア組織を抱えていません。
こんなとき、新サービス作るためシステムを作るとなると開発組織を調達する必要がありますね!
今回あつかう調達という業務では、
🍛 お料理するとき、食材を調達すること とおなじように
⚙ 開発組織を選んで、決めていく手順 を見ていきましょう!
まずは、調達が発生する業務手順を紹介します。
▼システム化に必要な全体の流れ:ソフトウェア・ライフサイクル・プロセス(SLCP)
調達は、SLCPでいうと企画プロセスと要件定義プロセスを跨いでおこなう業務となり、
調達によりベンダー企業が決定されるとシステム開発プロセスに入ります。
調達に関わる初めの手順として、
企画プロセスにあるシステム化計画・システム化構想を定めましょう。
ビジネスで「●●な目標を達成したいから、こんなシステムを作りたい!」といった形で
事業会社「すきまマーケット社」が、システム開発の方向性を決定します。
そして、企画に沿ったシステムの要望が決まったら、
システム要件をベンダー企業にも伝え、開発プロセスに進むことになりますが
「ベンダー企業なんて、どこも一緒でしょ?」と考えて、テキトウに担当企業を決めるのは、NG❎です!
・お願いしたのに、全然違うものが出来てしまった(スキル不足)
・高い金額を払っているのに、何度もスケジュール延期になる(そもそも悪徳)
など、ベンダー選びは、システムの品質にはじまり、企業の命運も左右します。
ここで選んだベンダーが、その後の保守・運用プロセスでも体制に組み込まれます。
選んだベンダー企業とは、長期間のお付き合いとなることが前提なので、ベンダー企業の決定は慎重に、基準や根拠を明確に行いましょう。
ベンダーを決定する根拠となる情報集めは重要です。
調達では、情報集めが2段階に分かれて行われます。
1回めの情報集めでは、
企画プロセスで決めたシステムへの要望を、
事業会社からベンダー候補に伝え、システム開発費用や実現可能性など、ベンダーからの情報提供を依頼します。
このように、システム開発のために
必要な情報の提供をお願いすることをRFI(Request for Information:情報の依頼)といいます。
すきまマーケット社のようなシステム発注者は、
当然、ベンダー企業に比べると、システム開発への知見は不十分です。
・企画プロセスで決めたシステムが、技術的な観点で実現できるのか?
・必要なコストはどの程度掛かるのか? など
ベンダーからの知見が必要です。
システムの実現性を明らかにして、検討を進めて問題ないか確認するためのものが、RFI・情報提供となります。
RFIのやり取りをする上で、もう1つ、やっておくべき重要な事があります。
すきまマーケット社が、どんな新規事業に取り組もうとしているのか?
こうした情報は通常、社外秘となるため、RFIで伝えた情報はベンダー候補以外には内緒にしてほしいですよね。
人の口に、鍵をかけることはできないので、
「このプロジェクト、絶対内緒だからね!」と口約束するだけでは、安心できません。
ここは、「ヒミツを守る」契約書によって、法の下で約束をしましょう◎
ここで必要となるのが、NDA(Non-Disclosure Agreement:機密保持契約)です。
NDAとは、事業の秘密を漏らさないよう、法的な約束を交わす契約書です。
企業間で情報を受け渡す際、互いに知り得た情報を漏らさないよう、書面で契約を結びます。
また、NDAは、事業会社からベンダー企業に出すだけものではなく、
ベンダー企業も、RFI等によって、自社の大切な情報を受け渡すことになるため、
双方でNDAを締結しあうことが一般的です。
NDAでは、秘密を破ったときの損害賠償や、いつまで秘密を守らないといけないか等が取り決められます。
ほとんどの場合、「NDAを結んだから」といって、墓場まで情報を秘密にする必要はありません◎
RFIである程度の情報や条件が揃った企業から、さらにベンダーを絞るため
2回めの情報集め:RFP(Request for Proposal:提案依頼)も学びましょう!
指定した要件に沿って、候補のベンダーに相見積もりを出してもらうフェースです。(通称:あいみつ)
Proposal を直訳すると「提案」となりますが、
英語が苦手な方は、結婚するときの「プロポーズ」と同じ単語だと思うと頭に入りやすいです◎
ITシステム業界での調達は、お料理の食材のように何に・いくら掛かるのかが見えづらいです。
コストを含め、品質や業務内容を明確にして、ベンダー候補を比較しやすいように提出してもらうものが提案依頼・RFPです!
さて、ここまで、RFPでの情報集めも完了した段階で、ベンダーを選定し発注先を決定します。
ここで選ぶ基準は、費用や技術での提案力、過去の実績など、そのときの状況によって、様々です。
そして、決定したベンダー企業と、他の業務推進と変わらない形で、契約の締結が進みます。(請負契約、準委任契約)
これが終わると、ようやくソフトウェア・ライフサイクル・プロセスのうち、システム開発プロセスに進むことになります◎
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