情報流通プラットフォーム対処法(旧:プロバイダ責任制限法)/ 2025年4月施行

情報流通プラットフォーム対処法/旧:プロバイダ責任制限法

本記事では、2025年4月から施行された「情報流通プラットフォーム対処法」(旧:プロバイダ責任制限法)について、
これからIPA試験(ITパスポート、基本情報技術者試験 等)や高校「情報」などの学習を始める方に向けて、下記「本件の参照元」より概要をまとめた内容を紹介します。

あくまでも教育分野に関連する内容として書籍や学習指導の参考にするためのものであり、法律の専門家としての解説ではない点をご理解のうえ、お読みください。
また、すでに出版されている書籍への対応方針についても触れておりますが、正式な訂正情報や対応状況は、出版社からの公式発表をご確認ください。(2025年4月25日時点)

今回の改正

🔁 法律の名称変更

旧称:プロバイダ責任制限法
新称:情報流通プラットフォーム対処法

(2024年5月に公布、2025年4月1日施行)

 

🔁 変更のポイント

  • 「責任制限」よりも、救済と透明化の方向に法整備された。

  • 変更により、被害者はスムーズな救済が期待される。

  • 変更により、運営者側*は明確な責任と対応義務が求められる。

 

 *運営者とは?
 SNS事業者(X、Instagramなど)、動画共有サイト運営者(YouTube、TikTok、ニコニコ動画など)、
 ブログサービス運営者、掲示板、コミュニティサイト運営者など

 

変更のポイント

項目 旧法(プロバイダ責任制限法) 新法(情報流通プラットフォーム対処法)
目的 プロバイダの責任制限と開示・削除の枠組み 情報流通の健全性確保と被害者救済の強化
開示手続き 主に裁判所の手続き 裁判を経ずに申し立てできる「非訴訟型の開示手続き」が新設
(例)対応が早くなる、被害者の負担が軽くなる
削除依頼 任意の対応 透明性報告の義務化を導入
(例)削除対応の基準が明確になる
対象者 主にプロバイダ(通信事業者) SNS運営者・動画配信事業者など
広く情報流通の基盤となる事業者全体

 

具体的に変わること

💥 (例)SNSで誹謗中傷を受けた場合

たとえば、X等のSNSで、顔写真をさらされるような誹謗中傷を受けたとします。
このとき、投稿した相手が誰なのかを特定するためには「発信者情報開示請求」という手続きが必要です。

 

これまでの対応(旧:プロバイダ責任制限法の時代)

  • 被害者は弁護士を通じて裁判所に申し立て
  • SNS運営会社(Xなど)を相手に「この投稿のIPアドレスを開示してください」と請求(1回目の裁判)
  • 開示されたIPアドレスの持ち主である通信事業者(例:NTT)を相手に「このIPを使った人の氏名や住所を開示してください」と請求(2回目の裁判)
    ようやく相手が誰か分かる

⏱️ この手続きには数ヶ月掛かることも珍しくなく、費用・時間の負担が大きかった。

 

■これからの対応(新:情報流通プラットフォーム対処法)

  • 被害者は、新たに設けられた「非訴訟型の手続き」を使って申し立て可能。
  • 裁判を経なくても、書類審査だけでSNS運営会社や通信事業者に対し発信者情報の開示を求められる。

⏱️ 裁判手続きよりもスピーディーかつ負担が軽くなり、被害者の救済が現実的になる。

 

本件の参照元

総務省公式サイト
情報流通プラットフォーム対処法の概要や関連資料が掲載されています。
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/ihoyugai.html

 

情報流通プラットフォーム対処法ガイドライン等検討協議会
旧プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会が運営するサイトで、最新のガイドラインや手引きが公開されています。
https://www.isplaw.jp/

 

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