目次
企画プロセスでは、どんなサービスをつくりたいかといったビジネス要件を整理・決定します。
ここで決定したことをベースに、システムの操作画面やシステム規模、開発体制などが決まっていきます。
企画の立案プロセスとして、システム化構想とシステム化計画について学習しましょう!
システム化構想プロセスとは、市場や競合などの事業環境を分析し、経営上のニーズやシステム化の対象を確認して方針を立案します。
(取り組むこと)プロジェクトの目的・課題を明確にする 、市場・競合分析 など
すきまマーケット社には、若年層(10代)の取り込みができていないことによる中長期的な経営課題があります。
そのため、今回の企画の目的は「お出かけグルメ動画」アプリにより、10代の若者と接点をもつことと置きます。
▼このとき、システム化構想では下記のように情報を整理します。
市場にはInstagramやTikTokがありますが、「お出かけグルメ動画」アプリという新サービスは、「グルメ・旅行」の領域に特化することで競合サービスとの差別化を図る狙いがある。
システム化計画プロセスとは、企画を実現する上で必要となる情報を整理します。
企画の全体像を明らかにすることで、企業にとって企画の有効性や投資効果を明確にします。
(取り組むこと)全体スケジュール 、開発体制 、予算 、費用対効果(ROI) 、リスク分析 など
すきまマーケット社の新規事業予算は1億円です。
この1億円は、長期的な視点でもっと大きなお金になって返って来てほしいと期待して投資するため、
概算でいくら回収でき、将来的にいくらの利益に成長するかを見立てる必要があります。
▲ここが、システム化計画プロセスで定める内容です。
システム化計画プロセスで定めるポイントとして、プロジェクト成功のための手順を洗い出し、システム開発に必要な体制・期間を整理します。
これを決めることで、サービス提供はいつから可能か、いつごろ予算1億円を回収できて事業黒字となるかなど、事業リターンを見据えることができ、企業にとって意味ある企画の判断がしやすくなります◎
PMBOKとは、プロジェクトマネジメントに必要な知識を、実務での事例として紹介しているガイドブックのことです。
QCDの向上(Quality:可能な限り高品質、Cost:低コスト、Delivery:早い納品)を目標に掲げており、これを達成するためのノウハウが詰まっています。
プロジェクトマネジメント協会が定期的に刷新・発行しています。
TCO (システムにかかるトータル費用)
TCO(Total Cost of Ownership)とは、システムを稼働させるために必要なコストの総額のことです。
システム構築にかかるハードウェア / ソフトウェアの費用、システムの開発費、運用後の維持費、管理費、人件費などが該当します。
最近ではセキュリティ対策やシステムの老朽化に備えるため、運用費が増える傾向にあります。
●ガントチャート
ガントチャートとは、作業計画とその過程を視覚的に確認できる図表のことです。プロジェクトを推進するために、「いつ」「誰が」「何を」作業するかを可視化することで、遅延とその原因を特定しやすくなります。 文字どおりチャートなので、下図の右側部分を主に「ガントチャート」と 示します。
● WBS
WBSとは、Work Breakdown Structureの頭文字をとった言葉で、「作業を分解して構造化」した図を意味します。下図の左側の、タスクを分解し、 担当者やスケジュール等を明記した箇所を示します。
ガントチャートとWBSは、アウトプット形式がほぼ同じであることから、現場ではこの2つの用語を使い分けることは少ないです。 ですが、ITパスポート試験では区別して問われることになるため、 同時に覚えることで、違いも把握しておきましょう◎
ここでは、システムをつくるために、何人のエンジニアが、どのくらいの期間、稼働するのかの見積もりを出すための計算をおこないます。
エンジニアの稼働期間=人件費がかかる期間 なので、 開発期間が長くなるほど、開発費用も増えることになります。
スケジュールと予算を見立てるために開発工数を見積もりましょう!
開発工数とは、システム開発作業にかかる手間(時間)のことです。
エンジニア1人が1か月稼働する単位を 人月 といいます。
例えば、お出かけグルメ動画アプリの開発工数は20人月かかりますと言われたら、エンジニア20人で1か月かけて開発完了するという見積もりになります。
とはいえ、エンジニアのリソースには限界があり、一度に大人数のエンジニアが稼働できないケースがほとんどであるため、エンジニア4人が5ヶ月稼働したり、エンジニア2人が10ヶ月稼働したりなど、取り組み方法はさまざまです。
また、エンジニアのスキルに応じて開発工数の見積もりも変化します。
新人エンジニアと、ベテランエンジニアが同時に作業をするとき、当然、作業にかかる時間はベテランエンジニアが対応した方が早く完了します。
だったらベテランに頼んだ方がいいのでは?💭と思いますが、
ベテランエンジニアの方が、月あたりの報酬が高くつくため、時間とお金のバランスを見立てるのもプロジェクトマネージャーの仕事となります。
開発工数が35人月規模のプロジェクトに、ベテランエンジニアが4人、新人エンジニアが5人アサインされた。
新人エンジニアは、ベテランエンジニアが1人月かかる仕事を、60%の進捗で作業する。このときの開発期間は何か月か?
1か月あたりの作業可能な工数は、ベテランエンジニア4人に加え、新人エンジニアが5人。
このうち、新人エンジニアはベテランエンジニアの60%の作業効率となることを考慮します。
すると、1か月全体の工数は、次式で求められます。
4+5×0.6=7[人/月]
35人月規模の開発を、1か月あたり7人で取り組むため、次式で計算できます。
35[人/月]÷7[人/月]=5[か月]
答え:5か月
開発工数の問題では、「期間」「人数」「エンジニアのスキル」 の3つの変数に着目すれば解くことができます◎
今日も最後までブログを見てくださり、ありがとうございました!
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