貸借対照表とは、企業会計のうち、財務会計に分類され、社外に向けた決算資料として利用されます。
貸借対照表とは、どこからお金を集めて、そのお金を何に使ったのかを確認できる財務諸表です。貸借対照表をみれば、企業の期末時点の財務状態がわかります。
このとき、資産と負債+純資産は同額となります。
左右のブロックの値を釣り合わせる(=バランスさせる)ことから、バランスシート(Balance Sheet:B/S)とも呼ばれています。
貸借対照表をみることで、わかること
・その会社は、いくらお金があるのか。
・土地や建物など、お金に変わるもの(資産)がどのくらいあるか。
・お金や資産は、自社の所有物なのか、銀行や誰かかに借りたものなのか。
貸借対照表の具体的な項目は、次のとおりです。
💵資産
企業が所有するヒト・モノ・カネ・情報を具体的に金額換算したものです。
現金・債権・建物や土地などの固定資産・ソフトウェア・減価償却などが分類されます。
🥀負債
銀行などからの借入金で、返済が必要なお金です。
「いずれは返す必要がある」「借りたものは返す」ため、負債と表現されています。
🌹純資産
事業によって得た利益や、株主が企業に出資したお金など、返済が不要なお金のことです。
株主からの資金には現金での返済は不要ですが、企業は株価を上げたり、株主優待などにより、株主に価値を返すことが求められます。
(項目の具体例・図)
お花屋さんを開業するときを例に、簡易的な貸借対照表の内訳を見てみます。
・元手(右側の部分):
銀行から100万円を借りて、株主から100万円の投資を受けると、現金の合計は200万円です。
(開業したばかりのお花屋さんには、この時点では事業利益による純資産はありません)
・資産(左側の部分):
元手を利用して、店舗設備の購入に150万円を支払うと、現金50万円+固定費150万円です。
総資産は、元手と同じく200万円となります。
このように貸借対照表を見ることで、どんな資金で構成された企業で、資産として何を保有しているのかを外部からも確認できますね!
自己資本比率とは、企業の資産のうち、自社が保持するお金の割合が何%かを示すものです。
総資産に対する自己資本の割合なので、次のように求めます。
「お花屋さん」の例で見ると、自己資本比率は、以下のように求められます。
お花屋さんの自己資本比率=100万円/200万円 ×100=50%
一般に、自己資本比率が高いほど、安定した企業であると評価されます。自己資本比率に関する問題は、貸借対照表を下に問われることが多いです。
(例題)貸借対照表から求められる、自己資本比率は何%か。
(平成30年 春期 ITパスポート 問11[改])
自己資本比率を求める式に当てはめて考えましょう。
自己資本=240(百万円) ……「純資産の部」より
総資本=160+200+240=600(百万円) ……「負債の部」と「純資産の 部」の足し合わせ
(または「資産の部」より100+500=600)
240/600 ×100=40(%)
答え:40%
また、厳密に言えば純資産と株主資本の金額は異なります。
ITパスポート試験では、この違いが問題を解く上での支障となることはないため、便宜上このように計算します。
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